4月頃から梅雨時にかけて園芸店や花屋などでよく見かけるようになる紫陽花ですが、ひとくちに紫陽花といっても、たくさんの品種があることをご存じでしょうか。
アジサイの品種は3000種以上あるといわれており、現在も品種改良が続いています。
当記事では、種類が多く複雑なアジサイの品種をざっくりと分かりやすくまとめてみました。
紫陽花の代表的な品種を7つご紹介します。

日本原産の紫陽花
ガクアジサイ

ガクアジサイは古来から日本に自生している、日本原産の紫陽花です。
現在存在する様々な種類のアジサイは、このガクアジサイをもとに品種改良されてきました。
ガクアジサイをもとに日本で品種改良されたものが、ホンアジサイ。
そして、西洋で改良されたものが、ハイドランジア(西洋アジサイ)と呼ばれています。
ガクアジサイの花びらに見えている部分は、実は花びらではなく萼(ガク)と呼ばれている部分で装飾花と呼ばれています。
中心に集まっている小さなつぼみのような部分が本物の花です。
関東地方、中部地方、伊豆諸島、小笠原諸島などに分布しており、沿岸部に多く自生しています。
開花期は6月中旬~7月頃。
旧枝咲き。
ホンアジサイ

ガクアジサイを、日本で園芸用に品種改良したものがホンアジサイです。
ガクアジサイは額縁のように花を咲かせますが、ホンアジサイは手毬のように丸くこんもりと花を咲かせることが特徴です。
装飾花のみを咲かせるため、ガクアジサイよりもボリュームがあり、華やかな印象になります。
開花期は6~7月頃。旧枝咲き。

ヤマアジサイ

日本各地で古くから自生している、野生種の紫陽花です。
ガクアジサイに似た可憐な咲き方が特徴です。
半分日陰になっているような湿り気のある林や沢に生育しており、沢紫陽花(サワアジサイ)とも呼ばれています。
開花時期は5月下旬頃から6月頃。旧枝咲き。
ノリウツギ
日本原産でアジサイの仲間ですが、開花時期や花の咲き方が異なります。
開花時期か7月~9月頃と遅く、花はピラミッドのように円錐状に咲くのが特徴です。
また、ガクアジサイやヤマアジサイは旧枝咲きですが、ノリウツギは新枝咲きのため。選定の時期を選びません。
アメリカ原産の紫陽花
西洋アジサイ(ハイドランジア)
日本で自生していたガクアジサイが西洋で品種改良され、日本に逆輸入したものを西洋アジサイと呼びます。
ハイドランジアとも呼ばれています。
西洋で改良されたため、西洋の花らしくボリュームのある豪華な花姿が特徴です。
開花期は6月~7月。旧枝咲き。
カシワバアジサイ
北アメリカ東部が原産のアジサイ科の植物です。
カシワに似た葉をつけることが名前の由来で、円錐状の豪華な白い花を咲かせることが特徴です。
開花期は5~7月。旧枝咲き。
アナベル(アメリカノリノキ)
米東部原産のアジサイ科の植物。
アメリカノリノキという品種を園芸用に改良したものをアナベルと呼びます。
大きな手毬のような花を咲かせ、一般的なアジサイよりも開花期が長いことが特徴です。
開花期6月~9月。新枝咲き。
その他の人気品種
ラグランジア
マクロフィラという花木と日本のアジサイをかけあわせた品種です。
一般的なアジサイは茎の先端に花を咲かせますが、ラグランジアは脇目にもたくさんの花がつくため、より豪華でボリュームがあります。
ツルアジサイ
原産地は日本、南千島、樺太、朝鮮半島南部で、国内の産地に分布しています。
樹木や岩などに絡みついて育つつる性植物です。
タマアジサイ
原産地は日本、台湾原産です。
開花前のつぼみが丸い球のように見えることが名前の由来で、ほかのアジサイよりも遅咲きです。
コアジサイ
日本原産の紫陽花で国内に広く分布しています。
コアジサイは一般的なアジサイと違って、飾り花であるガクがなく、一般的なアジサイよりも控え目な花姿が特徴です。
ガクウツギ
日本原産の紫陽花です。
装飾花が大きく、花びらの大きさがバラバラなのが特徴です。
まとめ
ご紹介した品種以外にもたくさんの品種が存在し、同じアジサイ科でも様々な花姿を楽しめます。現在も品種改良がさかんに行われているため、自分の求めるお気に入りの一株が見つかるかもしれませんね。